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「杭工事」とは耳慣れない言葉かもしれませんが、家をつくるためにはとても重要な工事です。
軟弱な地盤に住宅やマンションなどの建築物を建てる場合に、杭を打ち込んで補強します。
杭の素材は、鋼管やコンクリートなどさまざまで、地盤の特性によって使い分けられています。

ご紹介するのは8階建てのマンション(重量建築物)の建設現場です。
軟弱地盤と言われている場所で、その軟弱な層が地下30mもあります。
地盤についての解説は、「建築豆知識:杭工事が必要な地盤とは?」をご覧ください。

今回は、工場で作られた鋼管やコンクリートの杭を施工するのでなく、現場で杭を完成させる「場所打ちコンクリート杭」という手法を用います。
具体的には、地盤に直径1.2m前後の穴を地下30mまで開けて、その中に工場で加工された筒状の鉄筋を下ろして行き、最後にコンクリートを打設。
今回の現場では、鉄筋コンクリート製の柱(杭)を地下30mまで10本施工します。

鉄筋コンクリート製の柱(杭)は、ボーリング調査を行って事前に地面から得たデータを元に、建物の重量、バランス、地層、地面の地耐力などを計算して構造設計したものです。
ただし、今まで建っていた建物の基礎を避けられる位置に施工するのは簡単な事ではありません。
綿密な事前調査をして、緻密な構造設計を行い、それを実現可能にする施工の技術力があってこそ、建築物の安全性が保たれるのです。

家づくりに関して疑問に思うことがあれば、こちらもご覧ください。
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湘南を拠点にする一級建築士事務所米村和夫建築アトリエ/風のアトリエ
所長 米村和夫

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