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家づくりのご相談をいただく方で多いのは、お子さんの小学校入学をきっかけに「そろそろ子ども部屋が必要になるから、家を建てよう」と考え始めたご家族です。
とはいえ、15年たってお子さんが成人したときに、ご両親と同じ家に住むかどうかはわかりません。「子どものための個室がなきゃいけない」と焦るよりも、もっと長い目で見て、考えてみませんか。
今回は、子ども部屋についての私(米村)の考えと、これまでに設計した住宅についてお話しします。

子ども部屋は何畳必要?

自分で掃除・整理整頓をする能力や、勉強する習慣を身につけてもらうため、「子どもには6畳の個室をあげたい」といったお話をよく聞きます。
でも、ご自身の小学生時代を思い出してみてください。個室にこもって勉強していたでしょうか?
居間や台所など、ご両親の目のあるところでノートを広げて宿題をしていたのではないでしょうか。

私は、「子ども部屋は快適すぎない方がいい」と考えています。
完全に閉ざされた個室で、快適すぎる空間を作ってしまうと、お子さんはスマホばかり見ているかもしれません。部屋の中でお子さんが何をしているのか、ご両親はなかなか把握できないからです。

では、快適すぎない子ども部屋とは、どういうものでしょうか。
例えば、6畳ではなく3畳の小さな部屋にして、残りの3畳はリビングのスペースに回します。

「そんなに小さな部屋じゃ勉強できないよ」と思われるかもしれません。
でも、広く快適なリビングを作れば、自然と家族が集まってきます。お子さんはそこで勉強できますし、家族のコミュニケーションが生まれます。
それに、お子さんがリビングにいれば、キッチンで食事を作っていても気配を感じることができます。わざわざ声をかけたり、顔を見に行ったりしなくても、何をしているのか、それとなく把握できるのです。

子ども部屋は最初から完成させない方がいい!

私は建築主の皆さまに、「家は”できたもの”を買うのではなく、住みながら”作っていくもの”です」とお伝えしています。
特に子ども部屋は、お子さんの成長に伴って、求められる形が変わっていきます。最初からきっちり完成した部屋を作ってしまうよりも、柔軟に形を変えていける部屋にした方が良いと考えています。

住みながら作っていく子ども部屋の例

【例1】14畳の大きな空間を子ども部屋に

「子供達が元気に遊びまわる家」では、2階に明るく開放的な子どもスペースを作りました。
完成当初は、2人の息子さんが自由に遊べるスペースとして。将来的には間仕切りを作り、さまざまな形にアレンジしていく考えです。

【例2】吹き抜けとつながる子どもスペース

「吉祥寺の家」も、2階に子どもスペースがあり、吹き抜けとつながっています。
設計段階から、いずれ間仕切りを作ることを前提にしておくことで、お子さんの成長に合わせて変化できるフレキシブルな部屋になりました。

家づくり、もう一歩踏み込んで考えてみませんか?

家を建てるとき、ハウスメーカーに相談される方は多いと思いますが、そうしたメーカーが建築主の希望を否定することはまずありません。
「期待通りの家」はできても、「期待を超える家」は生まれないのが現実です。

家づくりは奥が深いです。そして、多くの場合は一生に一度の買い物です。せっかく家づくりに向けて考え始めたのなら、これを機に、とことん納得がいくまで考えてみませんか。
建築家(設計士)は建築主の思いを具現化する”代理人”でもあります。
建築主の思いを奥底までくみ取ることのできる設計士とタッグを組んで、何度も意見交換しながら作った家は、きっと格別なものになるでしょう。

今回のコラムが、家づくりについて考えていただくきっかけになれば幸いです。
「もっと相談してみたい」と思った方は、ぜひお問い合わせください。

ハウスメーカー、工務店、建築家(設計事務所)のメリット・デメリットとは?こちらのコラムもご覧ください。
家づくり3つの方法の長所と短所

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