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横浜市三ツ沢のマンション「パークスクエア三ツ沢公園」が
一部傾いた(傾いている)事件が起きています.

某国のマンションのように明らかに傾いたり,崩壊しないの
が日本的な欠陥工事の現象と言えるのですが.欠陥工事であ
ることは明白で建て替えになる事と思われます.

分譲主は住友不動産,設計と施工は熊谷組.共に大手である
ことに注目で,両社の損害賠償額は多大です.

今回の事故の特筆したい事は2つ.

1つは,かつての耐震偽装問題とは全く違う事で意図はない(?)
ことです.耐震偽装は鉄筋量を減らす事で利益を確保する事を
目的とする建築基準法違反でしたが,今回のはメリットが一切
単なる瑕疵になると思われます.事前のボーリング調査をしな
かった場所の杭が他の場所より深かったことです.調査箇所の
設定のミスですがそれは可能性として「ある」ケースです.
問題は杭打ちの施工時に杭が支持層に到着していないのに見切
って施工を終了してしまった事だと思います.

パークスクエア三ツ沢公園

パークスクエア三ツ沢公園

もう1つは,設計と施工が同じ会社だった事です.施工者
が工事をマネージメントすることを「工事管理」といい.
設計者が確認して行く作業を「工事監理」と言います.この
「工事監理」こそが私たち独立した(施工会社に属さない)
設計事務所の存在価値であり生命線でもあるのですが,,,
今回の事故で「施工監理」は機能していない事になります.

いくら,大手施工会社が施工を担当しているとしても起こり
うる典型的な事故でもあるのです.私たち設計および監理
を専業としている立場の人間として改めて「監理」の重要性
を伝えたいと思います.

(以下日経BP社、ケンプラッツよりの情報)
所在地─神奈川県横浜市西区宮ケ谷
 構造・規模─RC造11階建て、住棟5棟、262戸
 完成─2003年3月
 敷地面積─約1万2400平方メートル
 建築面積─約4900平方メートル
 分譲主─住友不動産
 設計・施工─熊谷組
 建築確認番号─第ERIO1002248号など
 住宅性能表示制度─耐震等級2
 —————-
 平均専有面積─約88平方メートル
 平均価格─約4015万円
 平均坪単価─約151万円

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