家づくり3つの方法の長所と短所

家づくり3つの方法の長所と短所

メリットとデメリットの比較

(1)ハウスメーカーに依頼.

〈長所〉工事の完成までが早いこと.早ければ4~5ヶ月で完成します.
〈長所〉家づくりや諸手続きが面倒と思っている人には楽です.
〈長所〉ハウスメーカーにブランド力を感じる人にとっては.

〈短所〉設計打合せが数回で終わってしまうこと.
〈短所〉割高な工事費となってしまうこと
〈短所〉本当の価格が見えない.宣伝広告費や展示場の維持費が見えないこと.
〈短所〉設計者も営業マンも最終的には会社側の人間である.

(2)工務店に依頼,

〈長所〉地域に密着している工務店の場合の親身に相談にのってくれる.
〈長所〉過去の事例をみることによって技術力,デザイン力が把握できる.

〈短所〉デザイン性に限界があることが多い.
〈短所〉工務店によってレベルの差はかなりあること.
〈短所〉設計上や施工上の問題点をチェックできない.

(3)建築家(設計事務所)に依頼.

〈長所〉納得のいくまでプラン検討や打合せができる.提案力に期待できる.
〈長所〉材料選びやキッチン,浴室など自由に検討出来る.
〈長所〉代理人という立場で施工会社と金額調整や施工監理ができる.
〈長所〉工務店を選べる.
〈長所〉変形敷地,狭小敷地,密集地,ローコストでも可能性を追求できる.

〈短所〉工務店依頼と比較すると設計料が高くなる
〈短所〉建築家との相性が成功のカギとなること(→成功にもなる)
〈短所〉一口に建築家,設計事務所と言ってもレベルの差はかなりあること.
〈短所〉建築家の個性が,悪い方向ででることもある.

(4)その他.プロデュース会社,コンペ会社に依頼.

〈長所〉1.2.3.のどれを選ぶにしても手間がかからずラク.
〈長所〉建築家や工務店を選ぶ事ができる会社もある.

〈短所〉プロデュース料が3者から支払われる事になる.
〈短所〉実質紹介業務だけであるケースがほとんど.
〈短所〉コンペ案を素人が評価する事に限度がある.
〈短所〉コンペ案だけで設計者や施工者を選ぶのはリスクが高すぎる.


実際は施工会社も建築家もいろいろです.

長所,短所を書きましたが,どの分野でも一生懸命,誠心誠意業務を行う人とそうでない人がいます.施工会社も建築家も意識も技術もデザイン力も人柄も千差万別です.

家づくりは「人」によって成功するか失敗するかが大きく左右されます.「家づくりは人対人」です.

「建築主」と「設計者」と「施工者」この3者が,立場の違いを乗り越えて同じ方向を向けるかが成功の生命線なのです.建築家と建築主の出会いが家づくりの最初の試練なのだと思います.

大きな建築物をつくる時は”組織力”であり”信用ある会社”がカギとなりますが,と小さな住宅をつくる時は”人”“人対人”というキーワードだと思います.

「家づくりの第一歩は,よきパートナーとなる建築家との出会いから」が私の持論です.


もし2500万円の家を計画するなら

1つのケーススタディとして,説明します.

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(1)ハウスメーカーに依頼した場合

一般に諸経費率が40%~50%と言われています.それ以上との話しもあります.
仮に40%と計算して2500万円×0.6=約1500万円の原価の家の購入となります

(2)工務店に直接依頼した場合

一般に諸経費率が15%~25%と言われています.
仮に20%と計算して2500万円×0.8=約2000万円の原価の家の建設となります

(3)建築家(設計事務所)に依頼した場合

弊社基準で算出し設計監理料約280万+構造設計料約45万,合計325万円
2500万円-325万円=2175万円
一般に設計事務所が入る事によって工務店の諸経費率が競争により下がり10%~15%と言われています.
仮に15%と計算して2175万円×0.85=約1850万円の原価の家の建設となります

※諸経費率,利益率ともいいますが,「ハウスメーカー,利益率(諸経費率)」 等でインターネットで検索すればいろいろな情報が検索されます.大手ハウスメーカーは50%以上との情報もあります.そうでないと住宅展示場の維持費も,膨大なCMやメディアの広告宣伝費も,多くいる営業マンの人件費は払えません.「100万円値引きする」「200万円値引きする」との話しも聞きますが原価からの値引きではありません.

建築家に依頼することのメリット

メリットが多い...!「建築家に頼むなんて設計料が高い」なんて想像されがちですが,「もし2500万円の家を建てるなら」というケーススタディをお話ししました.工事費の原価だけで言うなら工務店に頼む選択肢があります.でも金額だけでいいのでしょうか?以下にメリットをお話します,差額を埋める以上のメリットがあると思います.

(1)建築の専門家が代理人になること.

独立した設計事務所を営む建築家の第一の任務は,依頼主の利益を守る事です.裁判で言う弁護士の存在と同じです.代理人がいることによって,不利にならない図面ができる事,細かい仕様まで明記できる事,それによって適正な見積りがでること,工事金額の詳細の交渉,減額の交渉が出来る事,工事現場での施工状況の確認ができ,手抜き工事,欠陥工事が防げる事,現場での変更にもトラブル無く対応できる事,アフターメンテナンスにおいても施工会社とのコミュニケーションが潤滑にできる事などです.

(2)考える時間,検討する自由があること,

たとえばキッチンを考えたとき,施工会社,リフォーム会社に依頼した場合「A社のBシリーズで」となります.水回り,フローリング,壁紙,等等,取引上の決まったレールの上に乗っていく事になります.または選択肢を程よく狭めることで時間を短縮する経費上のメリットもあります.建築家に頼んだ場合,しがらみがないので選択肢はフリーです.何社でもショールームを見に行き検討する事も可能です.オーダーで作る事も可能です,またはコストパフォーマンスの高いのはどこか?という選択肢でも検討可能です,工期と予算の範囲で納得のいくまでプランを検討し,仕様を検討し,コストを検討する自由があります.

(3)施工会社を選べる自由.
「まず見積りを」と言いますが見積りをするためには図面が必要です,図面も枚数が増えること,仕様を書き込んでいくことによって金額の精度があがります.その状況なくしての見積りではなく概算でしかありません.建築家主導で進める工事の場合、施工会社は特定する必要は無く見積り金額や,見積り時の質疑等のやりとりから解る姿勢や誠意,今までの施工事例の確認などからトータルに判断する事が可能です.または建築家の一番信頼のある施工会社と組んで進める方法もあります.

(4)デザイン
デザインの良さは建築家個人の感性と努力によるものであり,(他社や施工会社が)ある程度の”マネ”をすることはできますが中途半端なマネに終わります.車選びもファッションもレストラン選びも同じです,中途半端なものを選ぶと結局,後悔をするのが現実なのです.理由はデザインは考え(=背骨,軸,思想)があってのもので,空間デザイン,建築デザインは部分(=考え)の蓄積だからです.安いお買い物ではないだけに建築家との家づくりを検討する価値は十分にあります.

(5)提案力
デザイン力と同時に欠かせないのが提案力です.例えば,5年後,10年後どうなっていくか?家族構成の変化にどう対応するか?介護について,老後の生活について,バリアフリーについて,水回りの将来の変化に対する対応,ペット共生についてなどの考慮をすることによって設計の仕方が変わっていきます.現状の機能だけを満足することはある程度可能ですがそれだけではないと思います.また,設計とは単に”機能的アプローチによる設計”だけではありません.“法的なアプローチによる設計”も“構造的アプローチによる設計”も”コストによるアプローチによる設計”もどれも条件をクリアしていないと成立しません.トータルで考え,そしてデザイン力を付加するのが建築家の役割です,

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